前立腺がんプラザ・トモセラピープラザ/トモセラピー・ダヴィンチ

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前立腺がん放射線治療はトモセラピー。前立腺がんロボット手術はダヴィンチ。

前立腺がんプラザ|トモセラピー
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what's new 前立腺がんプラザ/トモセラピー

江戸川病院ホームページに『BNCTプラザ』を公開いたしました。


○江戸川病院では、2023年7月5日より放射線治療後再発乳がんを対象とした医師主導の特定臨床研究を開始いたしました。

○臨床研究の経過報告はこちらより

BNCTは今までのX線治療とは放射線治療とは異なり、前もってホウ素を腫瘍に点滴しておき、その後中性子を照射する方法です。
BNCTは細胞選択的照射が可能な点で、X線治療は勿論のこと、陽子線治療や炭素線治療では対応できないがんや病期が原理上、適応となる特長を有します。


BNCTの概要についてはこちらをクリックしてください。
<2023年7月5日更新>




膵臓がんに関する情報サイト『膵臓がんプラザ』を公開いたしました。
放射線治療システムメリディアン<ビューレイ社>について解説しています。
江戸川病院では主に膵臓がんを対象として治療を行います。



『膵臓がんプラザ』はこちらをクリックしてください。
<2018年7月19日更新>










-->  前立腺がんは、日本でも食事など生活様式の欧米化や、高齢化に伴い、近年急速に増加している癌です。
 年をとることによって多くなる癌であり、罹患率は65歳以上で増加します。

 前立腺がんの症状
 前立腺がんの多くは、初期にはほとんど症状がありません。
 進行すると排尿困難、夜間多尿、などの症状が出現しますが、前立腺肥大と似た症状のため発見が遅れることもあります。

 前立腺がんの検査(PSA)
 前立腺がんの早期発見に重要なのは、PSA検査と呼ばれる血液検査です。
 前立腺がんが発生すると、大量のPSA(前立腺特異抗体)が血液中に流れ出ます。
 PSA値が正常の値よりも高ければ、癌が疑われれます。概ね4.0ng/mlを超えると、前立腺がんの可能性が高くなります。


 前立腺がんの治療法
 前立腺がんの主な治療方法は次の4つです。
 ・手術療法(ロボット手術ダヴィンチ等) 
 ・放射線療法(トモセラピー等) 
 ・ホルモン療法 
 ・無治療経過観察


 切らない前立腺がん治療 「トモセラピー」
 トモセラピーとは、強度変調放射線治療を行う専用機として、アメリカで開発されました。現在、前立腺がんの患者数が非常に多いアメリカ、ヨーロッパを中心に、稼動しています。
 トモセラピーは、癌の形に合わせて照射範囲を決められるので、正常細胞に対する照射を極力おさえ、癌の部分だけにピンポイントで放射線を当てることが可能になりました。


 前立腺がんロボット手術「ダビンチ」
 ダヴィンチは、2009年より医療機器として認可を受け、2012年4月より、前立腺癌に対する手術のみ、保険医療として認められました。
 ダヴィンチの特性として、①鉗子の動きが自然、②鉗子の可動領域が大きい、③手ぶれを自動的に補正する、④拡大された立体画像で操作できる、⑤術者が自分でカメラを操作できる、⑥「術者がこびとになって患者さんの体の中へ入り込んで手術をするような感覚」
などがあります。

  



前立腺がんの概要

前立腺がんとは ~前立腺癌の症状~

   前立腺がんとは欧米では男性の罹患(りかん)率第1位の癌ですが、日本でも食事など生活様式の欧米化や高齢化に伴い、男性では最も急速に増えている病気です。前立腺は男性にだけあり、恥骨の裏側で膀胱の下に位置し、その中を尿道が通っています[図1]。形は栗の実に似ており、主な働きは、精液の一部である前立腺液を分泌することです。 前立腺の内部は、尿道に接した移行域、中央の中心域、外側の辺縁域、そして前側にある前方線維筋性間質という4つの区域に分けられます。大きさは、正常大で上下径2~3cm・左右径約4cm・前後径約1.5cm・重さ約15gです。前立腺は、精巣や副腎から出る男性ホルモンの影響を受けています。



①罹患数・罹患率(2005)
42,997人・69.0/人口100,000人

②死亡数・死亡率(2008)
9,989人・16.3/人口100,000人

③影響を及ぼす因子
年齢、人種、家族歴、居住地域など

④前立腺がんの症状
癌の多くは辺縁域から発生します。そのため、初期にはほとんど症状がありません。
進行すると排尿困難、頻尿、残尿感、夜間多尿、尿意切迫、下腹部不快感などの症状が出現しますが、前立 腺肥大と似た症状のため発見が遅れることもまれではありません。さらに進行すると、骨やリンパ節に転移し、痛みや麻痺の原因になる場合もあります。



前立腺がんの検査 
  ~PSA検査、PSA基準値、生検~


①直腸診
   前立腺と直腸は広く接しているため、直腸壁を介して前立腺の後ろ側を触ることができます。前立腺の後ろ側に癌ができた場合、硬いしこりを触知する場合があります。

②PSA検査(血液検査)
   前立腺がんでの早期診断に最も重要なものは、PSA検査と呼ばれる血液検査です。PSA(prostate specific antigenの略語:日本語では前立腺特異抗体)とは、前立腺に特異的なたんぱく質の一種です。PSAは健康な男性の血液中に存在していますが、前立腺がんが発生すると、大量のPSAが血液中に流れ出します。PSA値が正常の値よりも高ければ、がんが疑われることになり、PSA値が高くなるにつれて癌の確率も高くなっていきます。
★ 年齢別PSA基準値
年齢 

50~64歳

65~69歳

70歳以上

基準値 

3.0ng/ml 以下

3.5ng/ml 以下

3.2ng/ml 以下



③超音波
   直腸に検出棒を挿入し、前立腺の超音波画像を得ます。この検査で前立腺サイズの計測、前立腺の内部構造を明らかにすることが出来ます。また生検(後述)の際にも用いられます。超音波は、再現性や客観性は他の画像検査より劣るという弱点があります。

④生検
[図2]
   前立腺がんが疑われる場合、針を刺し組織の 一部を採取し、顕微鏡で癌細胞の有無を診断します [図2]。これにより前立腺がんの確定診断がなされま す。また、一口に前立腺がんといっても、癌細胞の性 質は比較的おとなしいものから、非常に活発なものま で様々です。この悪性度の分類も顕微鏡で前立腺が んの形態をみることによって、判断されます。具体的 にはグリーソンスコアという数値であらわされます。 グリーソンスコアが高いほど悪性度が高く、グリーソ ンスコアが低いほど悪性度が低くおとなしい癌と診断 されます。

⑤前立腺がんと診断された後に行われる検査
[図3]
骨シンチ:全身の骨転移を検索します。
MRI:前立腺周囲の癌の広がりを評価します[図3]。
CT:リンパ節転移や肺転移などを検索します。
PET:全身転移の有無を検索します。







前立腺がんの治療

   前立腺がんの性質、癌の広がり状況、年齢、持病の有無等によって治療法が異なります。前立腺がんに対する標準的治療法は、手術、放射線治療、ホルモン療法、無治療で経過観察する方法の4種類があります。ホルモン剤単独で前立腺がんを完全に治癒させることは不可能と考えられています。前立腺がんを完全に駆逐する標準的治療法は、手術か放射線治療(トモセラピーなど)のいずれかです。治療法が複数選択可能な場合、それぞれの治療法の利点や欠点を理解した上で、納得のいく治療を受けることが大切です。





前立腺がんの転移別治療方針の一例
  (江戸川病院放射線科の場合)


遠隔転移(骨、リンパ節等)がある場合
 局所的治療(手術、放射線療法)よりホルモン療法を優先します。症状緩和のため、局所や転移巣に対して放射線治療を行う場合もあります。骨に数多くの転移が見つかった場合、転移部をピンポイントで照射する放射線薬剤(メタストロン)を投与することもあります。患者様によって病態は千差万別ですので、個々の患者様に最適な治療法をお勧めしたいと思います。


画像診断にて遠隔転移が確認されない場合
1) 画像診断にて前立腺外への局所浸潤がある場合
外照射(トモセラピー)、あるいはホルモン療法、あるいはこの両者を組み合わせます。

2) 画像診断にて局所浸潤が確認されない場合
■PSA≧50の場合 : 
転移のある可能性が高いと考えます。ホルモン療法と外照射(トモセラピー)を考慮します。
■20<PSA≦50の場合 : 
小さな浸潤、転移のある可能性が高いと考えます。外照射(トモセラピー)を中心に、ホルモン療法の併用も考慮します。
■10≦PSA<20あるいはPSA<10、生検陽性率>25%または、GS≧8の場合 : 
外照射(トモセラピー)あるいは手術療法が考えられます。小さな浸潤の可能性があり、再発に対する厳重な監視が必要です。
■PSA<10、生検陽性率<25%、GS≦7 : 
外照射(トモセラピー)、小線源療法、手術療法どれを選択しても結構です。それぞれの治療の利点、欠点をよく踏まえ、患者様ご本人にとって最適の治療を選んでいただきます。
■また、80歳以上の方で、T1-T2a、GS≦6、PSA<10の場合は、無治療で経過観察をお勧めする場合もあります。








切らずにくり抜くピンポイント
放射線治療はトモセラピー
トモセラピーに関するQ&A


Q:トモセラピーとは簡単に言うとどんなもの?
A:トモセラピー(tomotherapy/ともせらぴー)とは最新鋭の放射線治療であるlMRT(強度変調放射線治療)を行うために開発された、CTのような形をした高精度放射線治療装置です。
  CTと同様、体を輸切りにした画像を撮影できる一方、強い放射線を発射することもできるため、CTの撮影をした直後にがんを狙い打つピンポイント放射線治療を行うことができます。
  画像診断と放射線治療がトモ(Tomo) に行える治療(Therapy)装置がトモセラピー(tomotherapy)といったところでしょう。

Q:今までの放射線治療とトモセラピー、その違いは?
A:今までの放射線治療は、周りの正常な細胞にもたっぷり放射線が当たってしまうため、副作用が問題になっいました。
  しかしトモセラピーは、がんの形に合わせて照射範囲を決められるので、正常細胞に対する照射を極力おさえ、がんの部分だけにビンポイントでたくさんの放射線を当てることが可能になりました。したがってトモセラピー治療は副作用を減らし、がんを退治する効果は高くなったといえます。

Q:トモセラピーで、どんながんでも治療できますか?
A:トモセラピーの場合、正常組織への負担が少ないので、全身どこのがんでも照射が可能です。しかしトモセラピーは前立腺がんに特に咸力を発揮し、手術と同等の治癒率が得られます。

Q:トモセラピーの治療にかかる費用はどれくらいですか?医療保険は適応されますか?
A:治療には医療保険が適応されています。トモセラピーの費用は従来の放射線治療と同等です。
  がんの種類によって保険適用の内容や自己負担額などが変わってきます。
*医療施設によっては保険対象外の場合もあります。事前にトモセラピーによる治療を行っている医療施設にご確認ください。

Q:トモセラピーによる治療を受ける場合、入院は必要ですか?
A:高精度な放射線治療により副作用が従来よりも減ったため、ほとんどの方は外来で行うことができます。
  仕事やゴルフなどの趣味も、トモセラピー治療中であっても続けられる場合がほとんどです。

Q:毎日通えないので、入院させてもらえますか?
A:入院の必要性については、医師の判断が必要になります。
  通院に自信の無い方、通院そのものが不可能な方は、トモセラピーによる治療を行っている医療機関へお問い合わせください。

→最新の放射線治療器トモセラピーのご紹介はこちら





前立腺がんロボット手術
ダヴィンチ


ダヴィンチとはアメリカで開発された手術を支援するロボットです。

ダヴィンチの費用・保険適応
 ダヴィンチは、日本では2009年より医療機器として認可を受けました。2012年4月より、前立腺癌に対する手術のみ、保険医療として認められました。

ダヴィンチのメリット
 ダヴィンチが普及した理由は、安全性だけではありません。
 ダヴィンチによる前立腺癌ロボット手術は出血量を極端に抑え、手術後の疼痛を軽減し、機能温存の向上や合併症リスクを大幅に回避できるなど、さまざまなメリットが評価されているからです。

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『TOMOの会』
江戸川病院で、トモセラピーによる放射線治療を行った方、行っている方を対象にした前立腺がんの患者会

『第1回TOMOの会』
2011年2月17日 第1回 『TOMOの会』が開催され、200人の人たちが参加しました。
■マスメディアの紹介 『毎日新聞 2011年2月8日号夕刊』 『毎日新聞 2011年2月20日号』
『TOMOの会(第1回交流会)』
2011年7月12日 『TOMOの会(交流会)』が江戸川病院で開催されました。 約60名の方が参加。少人数のグループに分かれ、トモセラピーによる前立腺がん治療などについて意見を交換しあいました。
■マスメディアの紹介 『東京新聞 2011年7月13日』
『第2回TOMOの会』
2011年10月7日、『第2回 TOMOの会』が開催されました。 230名の方が参加。放射線治療の知識についての講演も行われました。
『第3回TOMOの会』
2012年6月20日、『第3回 TOMOの会』が開催されました。
トモセラピーによる放射線治療の体験者が、自身の治療経験について発表しました。
『TOMOの会(第2回交流会)』
2012年11月28日、『第2回交流会』が開催されました。
交流会には約70名の方が参加し、5-6名ごとのグループにかれ、放射線治療の体験について意見交換をしました。
医療情報セミナー①
2013年5月20日、医療情報セミナー『急増する前立腺がんとトモセラピー』が開催されました。
医師による講演とともに、TOMOの会の幹事の方が、自身の前立腺癌トモセラピー治療体験について語りました。

→トモセラピーによる前立腺がん治療を受けた方の患者会『TOMOの会』はこちら


江戸川病院放射線治療室で臨床実習を行った医学生からの手紙

江戸川病院放射線治療室で臨床実習を行った医学生からの手紙です。

江戸川病院 放射線科部長 浜 幸寛先生

江戸川病院での臨床実習を終えて(平成24年7月30日~8月2日)

 この度は、ご多忙のところ江戸川病院での実習をさせていただき、誠にありがとうございました。外来実習や治療室の見学、治療計画実習など、様々な実習を経験させていただき、期間中に学ぶことができたことは数知れません。私自身の将来にとって大変有益な経験ができました。そこで、感謝の意を込めてここに感想文を記したいと思います。

 まず、実習をお願いすることになった経緯ですが、今年1月に防衛医大放射線科の入局説明会があり、A先生から江戸川病院で先進的な放射線治療をされているOBの浜先生という先生がいらっしゃるとお聞きしていました。そして2月に偶然、がん患者の就労問題について特集したNHKの特報首都圏という番組を見た際に江戸川病院が紹介されており、病院のことを知りました。そこでは夜10時まで外来治療を行っているとのことで、仕事をしながら治療を継続できる体制に感銘を受けました。その頃から漠然と江戸川病院で実習できたらと思っていたのですが、6月にA先生に夏休みに是非外の病院で放射線治療について実習したいと相談させていただいたところ江戸川病院の浜先生のところではどうかと勧めていただき、兼ねてからの思いもあり江戸川病院での実習をお願いする運びとなりました。

 江戸川病院での実習をさせていただく前に私が抱いていた放射線治療に対するイメージは、「切らずに治す」という理念に魅力を感じながらも、舌癌など中には放射線治療が有効で、完治しうる疾患や術後照射が有効である疾患もありますが数が限られており、多くは癌の末期に化学療法と併用で用いられ、癌と上手に付き合いながら生きていくための手段なのだろう、ということでした。しかし、江戸川病院での実習を通じてそのような認識は大きく変わりました。

 まず、トモセラピーは、治療計画時に線量分布を腫瘍やリスク臓器の輪郭を正確に描き出し、CTV、PTV、リスク臓器の照射線量を調節して、腫瘍には致死量を、正常組織は耐容線量よりも大幅に低い線量を当てることが可能であるため、合併症をほとんど伴わないながらも高い根治性を期待できる放射線治療法であるということを知り、その技術に驚きました。さらに、その画期的ツールを安全運用するためのシステムも構築されており、独自に作成された厳密な治療プロトコルに基づき治療計画を立て、あらゆる計画の中から最良な線量分布をコンピュータで算出後、再考を重ねて承認し、さらに実際の治療と計画との誤差をフィードバックする体制も確立されていました。そこには放射線照射は患者個々の状態に応じたテーラーメイド商品である、との先生の理念が根底にあります。また、治療計画が計画通り遂行するためには医学物理士との連携、放射線治療技師や診療放射線技師の正確な位置決め作業が重要であり、その作業は正に職人技でした。

 そのような、殺腫瘍効果を十分にもたらし、正常組織の障害は大幅に低減できることの大きな利点は、外来診察を見学した際に最も実感することができました。

外来実習では様々なStage、治療経過にある患者さんの診察を見学し、患者さん一人一人がどのような経緯で来院し、治療を受け、どのような経過を辿っていくのかを追うことができました。他院からこれ以上の治療を施しようがないと判断されて紹介された、あるいはご自分でインターネットを通じて江戸川病院を調べた患者さんが藁をもすがる思いで来院されます。「もうここが最後かもしれない。」と思って来院される患者さんに対し、「うちで治療できますよ。」の一言は救いの一言として、聞いている私としても深く感動しました。この言葉は限られた人間しかいう事ができない重い言葉であり、将来自分もこのような言葉を言えるような医師になりたいと思いました。

 照射が終了し、経過観察期間にある患者さんの診察ではトモセラピーの適応を厳しく選定しているという点も多少なりとも影響していることとは思いますが、ほとんどの患者さんが大きな合併症もなく、あったとしても塗布薬や服薬で解決可能な範囲内であり、また、照射後再発もほとんどないことが実感できました。照射後の長期的な予後に関してはこれからの経過観察で明らかになるとは思いますが、トモセラピーは、ダメもとで照射しても病変が消失してしまう癌もあり、根治性が高いだけでなく、機能温存に優れた治療法であることが分かりました。一言に放射線治療と言っても、このような根治的治療法がある事を知り、これからの放射線治療に期待するとともに、将来自身も携わりたいと思いました。

 また、放射線治療に携わる先生のお仕事を拝見して受けた印象は、がんに対する外科的治療、化学療法を含めた全身のがん診療の知識や疼痛管理やターミナルケアに関する深い知識が必要であるという事です。上のような根治的照射に限らず、放射線治療はがん対策基本法の3大療法の一つとして挙げられており、そのため、他の治療と連携しながら行うことが多く、そうした知識は必須であると思いました。そのような知識が必要であることは最もですが、がん治療一般に関する知識に限らず、さらに高い臨床能力も必要だと感じました。放射線外来では、決して放射線の合併症のみの経過を診ていれば済む話ではなく、ある症状が出現した場合、それが放射線照射による影響なのかcommon diseaseによるものなのかを判断しなければなりません。たとえ症状を訴える部位が照射部位とは関係なくとも、「放射線治療を受けているから」という理由だけで放射線外来で診てもらうよう患者に指示する先生方もいます。さらに、放射線治療を受ける前の主治医による診療が終了してしまい、放射線外来で経過を診なければならない患者さんもおり、がんとは直接因果関係のない病状を訴えた場合には放射線外来が初期診療となるためプライマリケアとしての側面も持ちえます。したがって、卒業後は初期研修のうちから将来を見据え、科ごとに臨床のエッセンスを身に着けていけるような研修を目指そうと考えました。

 今回の実習では、江戸川病院でのトモセラピーによる治療が「切らずに治す」ことを可能にする画期的な治療法であり、多くの患者さんを合併症がほとんどない状態で救っている現場を自分の目で見ることができました。今まで経験してきた実習の中でこれほどまでにローリスク、ハイリターンであり、多くの患者さんに感謝される現場を見学することがほとんどなかったため、とても良い刺激になりました。さらに、浜先生から様々なお話をお聞きして、漠然と放射線科医、放射線治療医になろうと思っていたことが、具体性を帯びた目標に変わりました。そのような点で今回の実習は大変自分の人生に有益な実習であったと思います。このような機会を与えてくださった浜先生や江戸川病院関係者の皆様方、A先生には深く御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

 また今後も卒業後の進路や実習に関して先生にご相談させていただくことがあるかもしれませんが、その際は是非ともよろしくお願いいたします。


平成24年 8月3日(金)

防衛医科大学校 医学科 6年
匿名



* 掲載にあたり、執筆者の氏名等一部記事を修正しています。

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