前立腺がんプラザ/トモセラピー前立腺がんとは、症状やPSA検査、病期、治療。トモセラピーとは、効果、費用。前立腺癌闘病記・ブログなど、前立腺がんの情報サイト。 |
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トモセラピーとは、放射線治療を行うために開発された、CTのような形をした治療装置です。 トモセラピーの装置には、位置を正確に合わせるためのCTとしての機能も組み込まれており、前立腺やその他の臓器に位置を正確に把握します。 CTによる撮像と放射線治療を、同一の寝台上で行うことにより、よりピンポイントに放射線を照射することができるというわけです。 今までの放射線治療は、周りの正常な細胞にもたっぷり放射線が当たるため、副作用が問題になっいました。 しかしトモセラピーは、癌の形に合わせて照射範囲を決められるので、正常細胞に対する照射を極力おさえ、癌の部分だけにピンポイントで放射線を当てることが可能になりました。 トモセラピーの治療費・保険 トモセラピーによる治療は、2010年4月から限局した固形がんなら保険診療適用になりました。 *医療施設によっては保険対象外の場合もあります。事前にトモセラピーによる治療を行っている医療施設にご確認ください。 * 江戸川病院では、これまで主に前立腺がんに対して、トモセラピーによる放射線治療を行ってきました。過去2年間に治療を受けられた約300症例の解析では、軽度の直腸出血を経験された方が5%程度、手術が必要な大量出血が0%、放射線による副作用による死亡例も0%となっています。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ピンポイント放射線治療」 トモセラピー(TomoTherapy)とは、強度変調放射線治療(IMRT) の専用機として米国で開発された、最新の放射線治療システムです。IMRTとは、がんの部分のみにピンポイントで 放射線を集中させる新技術の一つで、色々な方向から照 射することにより放射線の強さに濃淡をつけ、あたかも がんの部分だけをくり抜くような照射ができるようにな りました。つまり、がんの部分にはたっぷり放射線をあて、 がんではない正常の部分には極力放射線をあてないとい う、従来不可能とされてきたことを可能にした画期的な 治療技術です。従来の照射方法に代わる標準的治療法として、前立腺癌や脳腫瘍など、多くの悪性腫瘍でその有効性が示されています。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 全身の悪性腫瘍に威力を発揮 これまでトモセラピーが威力を発揮するがんとして、前立腺がんと脳腫瘍が挙げられていました。たとえば前立腺がんでは、完治には72グレイ(グレイ=照射量の単位)以上の高い放射線線量を投与することが推奨されてきましたが、標的である前立腺や精嚢の近くには直腸があるため、ふつうの放射線治療では副作用が出やすくなります。IMRTの技術を使うと、直腸を避けながら前立腺がんに大量の放射線を照射することが可能になり、治療効果は高まり、副作用はむしろ減らすことが可能となっています。 トモセラピーの保険適応 前立腺がん以外にも、脳腫瘍や骨の腫瘍等、全身の悪性腫瘍に対して有効性が確認され、2009年4月からは、全身の悪性腫瘍に対する保険適応も認められるようになりました。 トモセラピーの適応 江戸川病院ではこれまで、前立腺がん、脳腫瘍、骨腫瘍、乳がん、肺がん、肝臓がん等、全身の悪性腫瘍に対してトモセラピーによるIMRTを行ってきました。とくに、脊髄と脳を同時に照射する場合など、広範囲にわたりIMRTを行う症例では、トモセラピーの「らせん照射」が有用です。この世界初、「らせん照射」の新技術だからこそ可能な照射と考えております。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 前立腺がんに対するIMRTは欧米を中心に急速に普及し、本邦でも近年IMRTを導入する施設が徐々に増加していますが、2つの大きな課題があります。 1つは前立腺の位置変動の問題です。前立腺は近接する直腸や膀胱の状態により、体内での位置が日々変動する臓器です。直腸ガスの量により前立腺が10mm程度移動することは日常的にあります。このため、照射マージン(照射の際の誤差を考慮したのりしろ部分)を5mm程度に抑えて行われているIMRTでは、日々刻々と変化する前立腺を、その都度画像化せず照射することは極めて危険です。トモセラピーはCT画像の撮影と治療という二つの機能を持っていますので、毎回CT画像を撮影することにより位置変動によるズレを回避できます。 2つめの課題は、腫瘍への線量が80グレイ(グレイ=放射線の量を表す単位)近いこともあり股関節への線量が問題となります。股関節へ照射される線量が多ければ多いほど将来の骨折のリスクは上昇します。 この図は前立腺がんのIMRT治療計画の画像で、前立腺(赤色)にはたくさんの放射線が照射され、その近くにある直腸や膀胱には放射線が極力当たらないように工夫されています。従来のIMRTでは、複数の方向から強度の違う放射線を照射することによって前立腺への放射線の集中性を高めていましたが、大腿骨頭(矢印)への中等度被曝は避けられず(30%くらいの線量:オレンジ色の部位)、大腿骨頭壊死(えし)などの副作用が懸念されています(図1)。 ![]() 図1 5方向からのIMRT。大腿骨頭(矢印) への照射による副作用が懸念されます。 しかしトモセラピーでは、360度あらゆる方向からピンポイントで細い放射線を当てますので、大腿骨頭への中程度被曝(30%の線量:オレンジ色の領域)はほぼ無視できるくらいまで低下させることが可能になりました(図2)。 ![]() 図2 トモセラピーでは、大腿骨頭(矢印) への中程度被曝(オレンジ色の部分)を 避けることができます。 ![]() ![]() ![]() |
トモセラピー 治療の流れの一例 「診察」 紹介状を確認し診察ののち、放射線治療が可能かどうかを判断します。 ![]()
治療計画専用のCT、MRIを撮撮影します。体の動きを抑えるため、専用の固定具を作成する場合があります。 ![]()
治療範囲を確認するためのCTを撮影して、位置を正確にあわせます。 ![]()
放射線治療中は週に1回、放射線科専門医が診察し、副作用の確認をしながら治療をすすめていきます。 ![]()
放射線治療終了後、治療効果と副作用を確認するため、CT、MRI、シンチグラフィーなどの検査を定期的に行い、経過観察をします。 ![]()
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